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秘教治療

アリス・ベイリーの秘教治療を紹介しつつ、ヨガの先生の教えを回想する。霊治療、光線エネルギーのまったく新しい知識を織り込んでいきます。エーテルについての知識を広めることを目的としています。

二日目の夕方まで

 ホールの中は、満員ではなく、通路から二十列ほどの所に座ることができた。前から四列目ほどの所に背中にカーキ色のレインボー・ツアーズのスカーフを付けた山内さんたちを見つけることができた。ホール中央の壇上で、サイババが椅子に腰掛けている。サイババの前には例外なく白いクルタパジャマをきた三十人程の学生たちが並んで座っている。その中の一人が立ち上がって、私には分からない言葉で大声を出して何かを朗読している。どうやら詩のようだ。学生たちが次々と交代して朗読する。後で山内さんが教えてくださったが、それはサイババの前で詩を朗読するという学生たちに課せられたテストだった。
 ホールから出る頃は、夕刻の六時すぎだったと思う。私は一人で部屋に戻ろうとした。仲間の人たちと今朝通ったコースとは異なるコースを私は歩いていた。すでに夕闇に包まれていた。どんどん進むと、ウエスト№4と書いてある建物の脇を歩いていた。私たちの部屋のある建物はノース(北)であるから、ここから右の方に行けばいいだろう、と考えて右に曲がった。しかし、その通路は全く見慣れないものだった。どうやら道に迷ったらしい。しかたなしに、元きた道を引き返し、見慣れた場所まできた。
 私たちのノース棟の建物が並ぶ、東西に走る並木道を歩いていると、赤茶けたサリーに身を包んだ老婆が椰子の葉をむしっていた。大きな椰子の大枝が枯れて地面に落ちて、道路際に捨ててあったものらしい。その大枝から出ている細い枝葉をむしりとって束ねている。あんな葉を一つひとつていねいにむしりとって何をするのだろう、とその時は疑問に思って通りすぎた。後で分かったが、椰子の葉の小枝を束ねて、ほうきを作るのだった。ダルシャン・ホールの床を腰の曲がった老婆が絶えず掃いている。それは椰子の葉を束ねてつくったほうきであった。あの赤いサリーの老婆は、私たち日本人が物の豊かさの中で忘れてしまった原点をしっかりと身につけているのだ、と思った。
 通路の左側から、石油をもやす臭いがツーンと鼻をつく。見れば、倉庫のような建物の中に、何人ものインドの人たちが雑魚寝している。雑然とした広い倉庫の所々にダンボールで仕切りがつくってあって、物干しロープにサリーやパジャマがかけてある。ある人たちは、石油コンロで煮炊きをして夕食の準備をしているようだった。興味がそそられたが、私たちの部屋の様子とはあまりに差がありすぎて、見てはいけないものを見ているような気がする。そして心のどこかにチクチクするものを感じた。彼らが私の方を見る目は、異邦人を見る目付きである。
 N9棟の入口には、軍人の服装をした人、二、三人の人と、背中にブルーのスカーフを付けた人が、通常は一人、時には数人腰掛けている。この人たちは、怪しい人が建物に入らないように、見張りをする人たちである。私は言いなれない「サイラム」という言葉を小さい声で言いながら、合掌してこれらの人たちに挨拶した。彼らも「サイラム」という言葉で応えてくれた。

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  1. 2010/08/16(月) 02:52:18|
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